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HERB・ベンチマーキング研修導入事例紹介
株式会社マリノ様 店舗改善運動成果発表会(1/2)
CS・業績向上の成功の鍵は
アルバイトが仕事を楽しめる環境作りにあった。

 株式会社マリノ(愛知県名古屋市)が展開する『Pizzeria MARINO』は、店長やパートアルバイトの人財育成が順調に進み、業績も既存店ベースで前年を上回った。その好調さの背景には、従業員満足度の改善がある。マリノでは、従業員満足を第一におき、その上でお客様の満足度を高め、業績を上げるという王道を、2年かけて取り組んできた。


店舗改善運動成果発表会風景 
  今回は、株式会社マリノにおいて、パートアルバイトが主体となって店舗の改善活動をおこなう“EIS・CIS運動”の成果発表会が催されるとのことで、マリノの好調さの秘訣を探るべくその様子をうかがってきた。

 10月23日、17:00名古屋市春日井グランドホテル。できるだけ多くの参加者を…とのことで、この日は全店舗を半日しめての開催だ。株式会社マリノの、この日にかける思いが窺いしれる。 19店舗から集まった参加者はアルバイト200名、社員と合わせて300名を超えた。1店舗当たり16人以上も集まったことになる。緊張感と期待感が会場を包んだ。

 「今日は皆さんが主役です。前で思う存分、緊張することなく発表してください。」との同社水野社長の言葉で発表会はスタート。段上にパートアルバイトが並び、早速、店舗の発表が始まる。驚くべきことに、取り組みの主体は、ほとんどがアルバイトである。 アルバイトが自分たちでミーティングを開き、自分たちでアクションを決め、自分たちで改善運動を進めてきた。アルバイト全員が「時給以上の価値を得よう」としているのがひしひしと伝わって来る。

 発表の中で明らかにされたアルバイトによるアイデアをいくつか紹介したい(事例1〜5を参照)。どれも、飲食の経験がある方ならば、驚くべきアルバイトの結束力だと感じる事例だろう。

 この結果だけでも驚くべき発表であったが、これらの成果も一朝一夕で出来上がったものではないことが、発表から伝わってきた。どの店舗も、改善運動の中で、多くの葛藤や困難にぶつかり合ったことが伺えた。辛かった時期の発表に及ぶと、マイクを通して話しながら涙で声を震わせるアルバイトも多かった。8店舗、どの店舗からも成長や達成感の感じられる発表だった。
 全ての店舗の発表が終わり、参加者による投票の結果、3位までの店舗と個人賞が表彰された。個人賞は、主にミステリーショッピングリサーチ(日本LCA:覆面調査)の輝いていたスタッフに選ばれた回数で決定し、総合順位はこの日参加した方々の投票によるものだ。結果は、1位と2位の差がたった1票という大接戦であった。店舗が発表されるたび、会場は大いにどよめき歓声が響き渡り、名前を呼ばれた店舗のアルバイトさんの目から大粒の涙が溢れるシーンも。

今回は、事前の評価で8店舗のみの発表となったが、発表店以外の11店舗のアルバイト・店長の顔つきも、今日の発表会を受けて変化を見せたようである。胸の中に熱い何かが灯ったのだろうか、意をこめて「やるぞ」とつぶやく姿が印象深い。
 発表会も終わりを迎えようとしたころ、エンドロールでサプライズ企画として店舗のアルバイトスタッフの方々より店長に感謝の気持ちを表した手紙がsummerの音楽にのって大スクリーンに表れた。そのメッセージに感極まったそれぞれの店長の目からは、激しく涙が流れる。

 ここまでの活動、そして発表会を影で見守ってきた水野社長からは、最後の総括で「実は私は、最近悩んでいたんです」との言葉が発せられた。「余裕がなくなって、仕事を楽しむことが出来なくなっていた。それは、上場に向けて、『しなければならないこと』が私の中を占めていたからだと思います。でも今日の発表を聴いて、どんなに辛く厳しいときでも、力を合わせて『仕事を楽しむ』ということの大切さを思い出させてくれました。私は、マリノとマリノの皆の人生を歩んでいるという事を改めて思いました。本当にありがとうございます。」社長自ら、深々と会場のメンバーに頭を下げられた。さらに「本当に多くのアルバイトから“マリノが大好き”という言葉を聞いて、涙が流れました」と続く。経営者として、ご自身が創り出したお店に多くの愛情が注がれ、多くの若者の人生にとって「かけがえのないもの」になっていることを実感できる瞬間は、身の震えるほどの喜びがあるに違いない。


 

■事例1:新規のお客様に特別なサービスを徹底しリピーターを作る仕組みを構築

 師勝店では、新規のお客様をいかにリピーターにするかを検討し、新規のお客様には以下のように対応することに決めた。メニュー案内のときに新規のお客様かどうかを判断⇒新規の場合には、オーダー表にハートマークを記載⇒ご案内の後に「ノーバ(新規の意)」というイタリア語をつける⇒ノーバのオーダーが出るときにはキッチンから「パスタ・プレイゴー・ノーバ(新規様のパスタが出ます)」と声をかける⇒ホールはより丁寧に商品の説明を添えて提供する⇒帰りがけに新規の印(ハートマーク)が伝票にあれば、感想を聴いて次のリピートにつなげる。これにより、新規のお客様をリピーターにする仕組みを作っている。
■事例2:自分たちでお店のルールを設定

 お店のルールがしっかりしていないことを問題視したアルバイトが、ミーティングで「自分たちのルールを決めよう」と提案。みんなでルールにしたいことを出し合った。その内容は、遅刻したときのルールや声を出していくことの大事さなど、「お店を良くしよう」という意思が強く分かる内容だった。アルバイトのメンバーは、そのルールに誇りを持っているようで、それを守っていく重要性をアピールしていた。
■事例3:ウェイティング対応の改善で回転率アップ

 マリノはピーク時にウェイティングが出る人気店である。ウェイティングのお客様にいかに待ってもらえるかを意見を出し合って改善。組数が飛躍的にアップ。しかしウェイティング改善の根本原因は「バッシングのスピード」にあるとアルバイトから意見があり、バッシングと中間バッシングの改善を取組んで、回転率を飛躍的に上げる。
■事例4:クレーム対応をアルバイトで行う体制作り

 夏のピークにクレームが頻発し、問題に思ったアルバイトがミーティングを実施。全店のクレームを読み直してみると、「アルバイトがクレームを受けたときに、店長に報告することが仕事だと思っていることから起こっているクレームが多い」との意見がアルバイトから上がり、いろいろなクレームのケースにおいてどう対応するかをみんなで決めてアルバイトがクレームに対応できる仕組みを作った。
■事例5:写真入り「常連様ノート」

 何度も来てくれたお客様には写真を撮ってその特徴や交わした会話、好みの料理などを記載、メンバーで共有している。その常連様の数が創り始めて2ヶ月で70件に及ぶという。お客様に写真まで撮って頂けることを思うと、驚異的な数である。